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●2017年jineko夏号からの抜粋です。→
まずは妊娠に至るまでの体のメカニズムを知ろう
●不妊治療では、どのような検査をどのくらいの期間で行うのでしょうか。
 不妊症の検査はいくつもあり、その人に応じた検査を選びつつ、実施する必要があると考えています。まずは、妊娠をつかさどる器官の働きに合わせた検査を行います。順調にいけば、だいたい一回の周期で必要な検査を網羅できると思います。
 私の手順としてはまず、子宮頸管のクラミジア検査、細菌培養検査(必要があれば子宮頸部細胞診も)を行います。同時に経腟超音波検査にて、子宮や卵巣の状態を観察し、子宮の形や子宮筋腫や卵巣嚢腫などのチェックを行います。次に卵巣機能(視床下部―脳下垂体―卵巣)のチェックのために、採血による各種ホルモン検査やホルモン負荷試験等を行います。
 排卵期になってきていれば、ヒューナーテスト等を行っていきます。数周期、管理をしても妊娠に至らない場合は、子宮卵管造影検査を行い、卵管の状態をチェックします。
●松山先生が重要視している検査はありますか。
 排卵期になると頸管粘液の話をすることが多いです。これは自然妊娠力があるかどうかのポイントの一つになってきます。この点で当院が有効と考えているのが、ヒューナーテストです。ヒューナーテストはいろいろなことを教えてくれます。当院では性交渉をした次の日に頸管粘液を採取し、顕微鏡で見ます。この検査一つでさまざまな情報が得られるので、欠かせない検査と考えております。

排卵期の検査が不妊治療のカギになる
 まずは、排卵の時期がこちらが指導したタイミングで合っていたかどうかがわかるので、タイミングの指導にも有効です。また、頸管粘液の中に運動精子がいるかどうかを確認して、良好な結果が出れば精子は卵管まで到達できている可能性が高くなります。
●結果がよくない場合に考えられる原因を教えてください。
 結果がよくない場合は、頸管粘液不全や、頸管粘液が酸性に傾いて精子を死滅させている、または女性の 体内に抗精子抗体がある可能性も考えられます。したがって、状況によっては血液検査で抗精子抗体の有無をチェックすることもあります。また、男性側の原因として、精子の数が少ない、または運動率が低いことも考えられるので、精液検査を行う可能性も出てきます。
 私は「一回の排卵周期で妊娠できる確率は20〜30%なので、まずは何度かタイミング療法で頑張ってみよう」という話をよくします。タイミング指導をする過程でヒューナーテストも併用することができ、不妊の原因を予測したり次のステップを考えたりすることができます。
●不妊治療を始めたばかりの方に、どのような対応をされていますか。
 初診の方でも、事前に本や人から聞いた話によってある程度の不妊の知識を得てから訪れる方もいれば、妊娠のメカニズムを知らない方もいらっしゃいます。妊娠のメカニズムを理解していれば、患者さん自身がどこに不妊の原因があるかを調べようという気持ちになります。ですから私は、初診に時間をかけて妊娠にかかわる体のしくみや、不妊治療の説明をするようにしています。また、1カ月でも早く治療を始めるほど成功率は高くなりますから、早いうちに一歩を踏み出すことが大事だと思います。
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